ピルを飲んで「体重が増えたかも?」と感じる方もいるかもしれません。
実は、ピルによる体重増加は、ホルモンの影響で食欲が増えたり、体がむくんだりすることが原因とされています。この記事では、なぜピルで太ると感じるのか、その理由と対策について、医師の視点からわかりやすく解説します。
しっかりとした対策をとれば、安心してピルを続けることができますよ。
ピルで体重増加が起こる確率は、5%未満
結論として、ピル内服が直接的に体重増加を引き起こすことはほぼありません。
低用量ピルとして一般的な薬剤「マーベロン」の添付文書によると、服用による体重増加の発生頻度は0.1~5%未満とされています。
また、日本産科婦人科学会の「OC・LEPガイドライン(2015)」によると、「服用と体重増加との間に因果関係はない」と明確に記載があります。
ピルで太ると感じる原因とは?
むくみ
ピルに含まれるエストロゲン、プロゲステロンは共に体内の水分量を溜め込む働きがあります。そのため、ピル服用初期には、むくみを感じる場合が多いです。
むくみが原因で体重が増加したように感じることがあり、特に足や顔が大きくなったように思うのでしょう。このようなむくみは一時的なもので、多くの場合、時間が経つと自然に改善されます。
食欲増進
ピルに含まれるホルモンのプロゲステロンは、食欲を増進させる働きを持っています。プロゲステロンは、妊娠を維持するためのホルモンとしても知られており、栄養を蓄えるよう体に指示を出します。その結果、満腹感を感じにくくなり、食べ過ぎてしまうことがあります。
一方で、エストロゲンは食欲を抑制する作用があるとされています。
ピルで体重増加した場合の対処法と対策
食事管理のポイント|食欲を抑える食材と食事法
ピルの服用で食欲が増した場合でも、食事の選び方を工夫することで体重増加を防ぐことができます。
- 高タンパク質の食品:肉、魚、豆、卵など
- 食物繊維が豊富な野菜:ブロッコリー、ほうれん草、おくら、れんこんなど
- 水分を多く含む食品:きゅうり、トマト、ナスなど
- 高タンパク質の食品は満腹感を長持ちさせ、過食を防ぎます
- 食物繊維が豊富な野菜は消化に時間がかかり、自然と食欲を抑える効果があります
- 水分を多く含む食品は食欲を抑えると同時に、カロリー摂取を減らすことができます
むくみを解消するための生活習慣改善|水分補給と運動
むくみを防ぐためには、適切な水分補給が重要です。
水分が不足すると、体は水分をため込もうとし、むくみが生じやすくなります。こまめに水を飲むことで、体内の水分バランスを整えることができます。
また、軽い運動を取り入れることも効果的です。ウォーキングやストレッチなど、体を動かすことで血行が促進され、むくみの改善につながります。さらに、足を少し高くして寝ることや、弾性ストッキングの使用も、むくみを和らげる効果があります。
まとめ|正しい知識をつけて、ピルと付き合っていこう!
ピル=太る、というイメージだけで服用をためらうのは非常にもったいないことです。
ピルの服用を検討されている場合は、自己判断せずに、まずはリモートメディカルクリニックにご相談ください。