【医師監修】漢方薬｜当帰芍薬散・防風通聖散・五苓散などの効果・選び方など徹底解説

漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶことでダイエットや妊活、不眠、冷え性など、幅広い悩みを解決へ導く伝統的な医薬品です。

しかし自分に合う漢方が分からない・名前が難しく薬局で選ぶ気になれないなど様々な声を頂きます。

この記事では、RMCがオンライン処方している13種類の漢方薬を目的・体質別に徹底解説していきます。

漢方薬とは？

漢方薬は、東洋医学に基づいた体質改善のための治療薬であり、古くから日本や中国で広く用いられてきました。

現代においても、体の不調を根本から整えるために、多くの医療現場で活用されています。

特徴的なのは、西洋学のように「症状を一時的に抑える」のではなく、体質や気血水（きけつすい）といった体内バランスを整えることで、症状の原因そのものに働きかける点です。例えば、同じ「頭痛」でも、冷えから来るのか、ストレスから来るのかで、処方される漢方薬が異なります。

また、漢方薬は複数の生薬を組み合わせた処方で構成されており、一つの薬で多角的に体の状態を改善していく特性があります。

【症状・体質別】おすすめ漢方薬一覧

ダイエット・肥満・脂肪対策に効く漢方薬

• 防風通聖散
• 防己黄耆湯
• 大柴胡湯

妊活・生理不順・女性特有の不調に使われる漢方薬

• 当帰芍薬散
• 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
• 加味帰脾湯

不眠・ストレス・イライラ・精神面の不調に使われる漢方薬

• 加味帰脾湯
• 黄連解毒湯
• 補中益気湯

冷え・浮腫み・胃腸虚弱・季節不調に使われる漢方

• 五苓散
• 安中散
• 葛根湯
• 白虎加人参湯
• 立効散

各 漢方薬の効果効能

防風通聖散

代表的なダイエット向けの漢方薬で、肥満症・便秘・高血圧傾向に伴う浮腫みや肩凝りの改善にも用いられます。

脂肪燃焼を促し、便通を改善することで肥満症に効果があるとされています。特に内臓脂肪型肥満や便秘を伴う肥満治療として用いられることが多いです。

防風通聖散は、食事や運動だけでは減らしづらい脂肪対策をサポートしてくれます。

防己黄耆湯

浮腫みや水太りが原因の肥満に適した漢方薬です。特に、体質的に筋肉が少なく、汗をかきづらく、下半身に浮腫みが出やすいタイプに向いています。

防己黄耆湯は体内に滞った水分の循環を改善し、余分な水分を排出する作用が特徴です。

代謝が落ちやすく、浮腫みやすい人に用いることで水分代謝のバランスを整え、浮腫み太りを緩和します。

運動や食事制限だけでは改善しづらい体質的な水太りタイプに多く処方されます。

大柴胡湯

内蔵脂肪がつきやすいタイプの肥満や、ストレスによる過食・便秘が気になる人に処方される漢方薬です。

比較的体格が良く、筋肉質でがっしりとしたタイプに適しています。

特徴的なのは、肝機能や胃腸の働きを整え、過剰な食欲や脂肪の蓄積を抑える作用です。また、便秘気味でお腹が張りやすい方や、イライラからくる暴飲暴食を繰り返しやすい人にも効果的です。

当帰芍薬散

妊活中や妊娠初期の体調管理、生理不順や冷え性に悩む女性に幅広く使用される漢方薬です。

特に、血が不足している状態や水分代謝の乱れによる冷え、貧血、浮腫みが見られる人に適しています。

当帰芍薬散は、血を補い、血行を促進し、体内の水分バランスを整える働きがあります。そのため、冷えによる生理不順、浮腫み、月経痛や妊娠を希望する人の体質改善にも用いられることが多く、婦人科領域では非常に代表的な処方です。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯

手足の末端が極端に冷える冷え性や、しもやけ、冷えによる痛みを和らげるために用いられる漢方薬です。

寒がりで、血行が悪く、冷えによって痛みや痺れを感じやすい人に適しています。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、体内の血流を促進し、末梢血管まで温める作用があります。また、胃腸を温め、冷えによる腹痛や下痢の改善にも用いられます。

特に冬場や冷房による冷えが強く出るタイプや、冷えからくる月経痛に悩む女性に向いている処方です。

加味帰脾湯

ストレスや不安、精神的な緊張から来る不眠や食欲不振に悩む人に使用される漢方薬です。

特に、神経が過敏になりやすく眠りが浅い、気分が沈む、疲れやすいなどの症状がある人に適しています。

加味帰脾湯は、心身のバランスを整え、気力・体力を補う作用があります。仕事や環境からくる精神的な疲労や睡眠トラブルを訴える方に向いている処方です。

黄連解毒湯

のぼせやイライラ、不眠、顔の火照りが気になる人に用いられる漢方薬です。

特に、熱感や赤ら顔、怒りっぽさなど、精神的な興奮や過剰な熱がこもりやすいタイプに適します。

黄連解毒湯は、体内の熱を冷まし、気持ちを落ち着ける作用があり、精神面、自律神経のバランスを整えます。イライラや不安が強く睡眠に支障が出る人、または高血圧傾向のある人に処方されることが多いです。

補中益気湯

慢性的な倦怠感、疲労、食欲不振に悩むタイプに使われる代表的な漢方薬です。体力や気力が低下している状態を改善する目的での処方が多いです。

胃腸虚弱、体力低下、夏バテ、病後の体力回復など、幅広く活用されており、高齢者や虚弱体質の人にも適しています。

五苓散

浮腫みや頭痛、めまい、吐き気の改善に用いられる漢方薬です。

五苓散は特に、水分代謝の乱れによって起こる不調に対して処方されます。

また、二日酔いや気圧の変化による頭痛、めまいにも効果が期待できるため、日常的な浮腫みや水分トラブルに幅広く対応できます。

安中散

胃痛や胃もたれ、食欲不振などの胃腸の不調に用いられる漢方薬です。

特に、ストレスや冷えが原因で居の働きが弱くなっている人に適しています。

安中散は、胃腸を温め、機能を調整する作用があり、慢性的な胃の痛みや食後のもたれ感、胸焼けの改善に期待ができます。

葛根湯

風邪の初期症状や肩凝り、頭痛に用いられる非常にポピュラーな漢方薬です。

特に発熱、悪寒、首や肩のこわばり、鼻水、軽い咳といった風邪の初期症状に適しています。

また、葛根湯は慢性的な肩凝りや筋肉のこわばりがある人にも用いられることが多く、身体を温めて血行を改善する作用があります。

白虎加人参湯

夏バテや熱中症予防、口の渇き、食欲不振に効果的な漢方薬です。

特に、身体の熱がこもりやすく、暑さで食欲が落ちる人に適しています。

白虎加人参湯は、体内の余分な熱を冷まし、胃腸を保護する働きがあるため、夏場の体力低下や脱水、食欲不振の改善に用いられます。

立効散

歯痛、喉の痛み、口内炎など、急性の痛みに対して即効性を期待して使われる漢方薬です。

立効散はその名の通り、服用後すぐに効くことが特徴です。

特に、神経痛や口内炎、歯痛で悩んでいる人に処方されることが多く、鎮痛目的で短期間使われるケースが一般的です。

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