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GLP-1薬剤「サクセンダ」のダイエット効果・副作用について医師が解説

「食事制限や運動がストレス」「食欲が抑えられない」というように、通常のダイエットを苦手としている方から選ばれているのが、GLP-1薬剤です。
今回は、その中でも注目されつつある「サクセンダ」について解説します。
サクセンダとは?

「サクセンダ」は、GLP-1受容体作動薬のひとつで、人間の体内にある痩せホルモン「GLP-1」を含む薬剤。
GLP-1にはインスリンの分泌を促進して血糖値を下げる働きがあるため、第2型糖尿病の治療薬として使用されています。
最近ではGLP-1を使った医療ダイエットの知名度も右肩上がり。
サクセンダはアメリカのFDAにも承認されており、ポピュラーな抗肥満薬として知られています。
そんな天然GLP-1と97%同じ成分が配合されている点がサクセンダの特徴です。
空腹感や食欲を抑制することによるダイエット効果が期待でき、体重減少が期待できます。
サクセンダの使用方法
サクセンダは、1日1回自分で注射する必要があります。
- キャップを取り外して針を装着する
- 注射部位の消毒
- 目盛りの調整
- ボタンを押したまま針を垂直に刺す
- 6秒数えて針を抜く
以上の方法で、毎日同じ時間に使用しましょう。
ビクトーザとの違いはなに?

サクセンダとよく比較されるのが、「ビクトーザ」ですね。
サクセンダとビクトーザには「リラグルチド」が含まれており、内容の違いはありません。
違うのは、それぞれの薬剤が適用する疾患と処方量です。
サクセンダ | ビクトーザ | |
適用する疾患 | 肥満症 | 2型糖尿病 |
処方量 | 0.6mgから開始して最大3.0mgまで増量 | 0.3mgから始めて最大1.8mgまで増量 |
そのためサクセンダには0.6mg刻みの目盛りがついていますが、ビクトーザには0.3mg刻みの目盛りが採用されています。
投与量は医師の判断によって決まるので、自己判断での増減は避けましょう。
サクセンダの主な効果

- 食欲を抑える
- 満腹感をつくり出す
- 体重減少
GLP-1が特定の神経細胞に作用し、食欲をコントロール。
満腹感を覚えやすくするため、通常より少ない食事量で満足しやすくなります。
これらの作用により、体重を減少する効果が期待できるのです。
サクセンダの効果が出ない人・リバウンドする人の特徴

- もともと食が細い方
- BMI値が25未満(肥満)の方
- 体重減少ではなく、部分痩せを希望している方
あくまでも抗肥満薬なので、BMI値が「適正体重」「低体重」の方は処方の対象ではありません。
また、もともと食が細い方、部分的な痩身効果を求めている方も、サクセンダによるダイエット効果は期待できないでしょう。
なお、サクセンダの使用をやめたあと、元の生活・食事量に戻ってしまうと、リバウンドに繋がる可能性があります。
急激なリバウンドを避けるためにも、生活習慣を見直すことがポイントです。
サクセンダの副作用。危険性はある?

ダイエット効果が見込めるサクセンダですが、5%以上の確率で以下のような副作用が起こる可能性があります。
- 頭痛・めまい
- 悪心(吐き気)・嘔吐
- 下痢または便秘
- 上腹部痛・腹痛
- 低血糖
- 消化不良
- 注射部位反応
不安を覚えてしまう方も多いかもしれませんが、GLP-1は腸管ホルモンであり、胃や十二指腸に働きかける作用を持っています。
そのため、サクセンダが効き過ぎることで「お腹が痛い」「胃が気持ち悪い」「腸の調子がよくない」といった症状が現われてしまうのです。
体がお薬に慣れてくると副作用が気にならなくなることが多いので、過度な心配はいりません。
とはいえ、このような副作用が長期間続く場合は、お医者さんや薬剤師さんに相談するといいですね。
サクセンダは本当に安全?

サクセンダの安全性に関して補足すると、日本医師会は以下のように強調しています。
「健康な方が医薬品を使用することのリスク及び医薬品適正使用の観点からも、このような行為を禁止すべきである」
確かに、BMI値が標準の方や痩せている方が自己判断でサクセンダを使用することは大変危険です。
また、アレルギーや疾患の観点からサクセンダを使用できない方もいるので、まずはクリニックでの診察を受けることが大切です。
サクセンダは通販などで個人輸入できる?

サクセンダは日本国内では未承認のため、個人輸入や国外での処方を考える方もいるかもしれませんね。
しかし、海外のものは品質や有効性、安全性が保証されていないので、注意が必要です。
自己判断で薬剤を使用することにはリスクが付きものなので、クリニックで処方してもらうことを強くおすすめします。
「近くにサクセンダを処方してもらえるクリニックがない」という場合は、当院にご相談くださいね。